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人により作成された仲裁判断は、管轄裁判所に登録することができる。」
“Any controversy or claim arising out of relating to this Agreement,or the breachthereof,shall be referred to and finally settled by arbitration under the Rules of Conciliation and Arbitration of theJapan Commercial Arbitration Association by one or more arbitrators appointed in accordance with the Rules. Judgement on the arbitral award rendered by the arbitrator(s) may be entered in any court having jurisdiction thereof.”
(◆ヒ ICCの仲裁条項
国際商業会議所(ICC)の標準仲裁条項は、次のとおりである。
“All disputes arisin in connection with the present contract shall be finally settled under the Rules of Conciliation and Arbitration of the International Chammber of Commerce byone or(more arbitrators appointed in accordance with theRules。”
わが国の国際商事仲裁協会、アメリカ仲裁協会等と異なり、国際商業会議所の仲裁裁判所を利用する場合には、その標準仲裁条項を契約に挿入する。わが国の国際商事仲裁協会 の仲裁の場合は、日本の公催仲裁法に定める仲裁手続法に従い、仲裁協会の仲裁規則に基づいて仲裁人を選定し、日本を仲裁地として仲裁手続が行われ、仲裁判断は日本の管轄裁判所に登録される。
これに対して、ICCの仲裁に付託した場合、公平の立場から係争当事者の国でない第三国を選定する。これは、仲裁人が面接して事実確認を行う場合に、各当事者にとって同じような距離に位置する第三国を選ぶことは、費用負担の点からも望ましい。また、仲裁に付託された事件の内容から、後日、仲裁判断の承認と執行が可能である国、すなわち、執行国と何らかの条約関係にある第三国でなければならない。これらの点を考慮して、仲裁地が選定される。したがって、契約に仲裁条項を挿入する段階では、仲裁地および仲裁法がいずれの国であるかが判らないのである。したがって、ICCの仲裁条項を挿入する場合には、準拠法や裁判管轄の指定をしてしまうと、第三国での仲裁手続を進めることができなくなるというおそれがあるので、第三国における仲裁手続を一応想定して、仲裁条項を整備しておくことが必要である。

 

 

 

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